2004年6月17日木曜日

asahi.com: 日本の富裕層、5.8%増え131万人 世界の17%……でも中身はどうなんだろう?



今朝の asahi.com :
大金持ち増加中——。メリルリンチ日本証券が16日に発表した世界の個人資産家に関する報告書による と、03年末時点の日本で不動産をのぞく金融資産を100万ドル(1億1000万円)以上持つ富裕層は前年末より7万2000人(5.8%)増えて131 万2000人。全世界の17%を占めた。報告書によると、全世界の03年末の富裕層は、前年末比50万人(7.5%)増の770万人で、保有資産は同7. 7%増の28兆8000億ドル(約3168兆円)。
ふ〜ん、すごいなあってとこだが、電卓で計算すると何かもの悲しい実情がかいま見える。

この記事では日本の富裕層は人 数だけで、金額が入っていないので、一応世界の平均値をとることとする。一人あたりの金融資産平均は約4億円だ。しかしこれは全くの平均値であり、余り意 味を持たない。市場経済では通常「8対2の法則」といって上位2割の人間が全体の8割を手にするのだ。すなわち全世界の金持ちの内の2割(154万人、内 日本人26万人)が全体の8割(2534兆円)を持っていると考えればいい。上位2割層の一人あたり金融資産平均は16億円程度だ。これが本当のお金持 ち。

残る616万人(内日本人105万人)の小金持ちは、 残りの634兆円に群がっているのだ。一人あたりにすると約1億円強(100万ドル)。メリルリンチのお金持ちの定義の下限すれすれ線にいる人達だ。

1億円でも良いじゃないかと一見思えるが、日本ではこ れを全額個人向け国債に投資しても年間の受け取り収入は70万円程度にしかならない。金利生活者(ランチエ)などとはとても呼べない。スーパーでバイトし た方がいい収入になるぐらいのものだ。

おまけに日本の小金持ちは高齢者が多い。現役時代年収 1000万円の収入があった人が、生活程度を落とさずに老後を送るには、公的年金の他に現金が1億円要るとの試算もある。日本の小金持ちの金 融資産は将来的に食いつぶされていくお金にしか過ぎない。後は何も残らない。

こうやってみてみると、日本の個人金融資産はすごいと か、景気のいい話が多いが、ストックの中身は相当お粗末であると推測される。とても羨ましいと言えるようなものではないようだ。まだまだ日本は、働いてフ ローで(GDPで)頑張らねばならないのである。

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